rainfiction

アマチュア映画監督 雨傘裕介の世に出ない日々です。

オマエら皆殺しだから−「デストロ246」−

高橋慶太郎「デストロ246」第1巻を購入&読了。

面白い!

あらすじは以下のとおり。Wikipediaより。

実業家の透野隆一は、家族を毒殺されて、復讐のために生きるようになり、南米の麻薬組織から少女の殺し屋を2人購入した。透野は2人に「翠」「藍」と名付け、日本に連れ帰る。来日した翠と藍は隆一の意を受けて、暴力団を次々と襲い嬲り殺しにしていく。その過程で2人は、政府機関の殺し屋である少女「伊万里」と、毒を使う女子高生の暴力団組長「苺」、その同級生兼護衛である「蓮華」「南天」と出会い、アサシンキラー(殺し屋殺し)として抗争に身をやつす。 物語は東京で発生した殺し屋達の闘いの経緯を美濃芳野がレポートする形ではじまる。

作者コメントには「女の子しか書きたくありません」という叫びから今作が発生したとある。
そのとおり、主要キャラはすべて女性、しかも未成年と思しき女子高生たちである。


出自も背景も違う女子たちが、どこで身につけたか、最強の殺人術を駆使して東京で鎬を削る。
それぞれの目的はそれぞれにヤバく、誰一人としてお近づきになれそうにない(なりたくない)女子たちである。


殺人術を身につけた女子!というモチーフは古今東西、様々な作品で用いられているが、今作において特色を放つのは比類なきミリタリー知識に裏付けられた、現代の殺人術である。


異能の力を持ってして敵をぶっ殺すのではなく、暗殺・制圧・抹殺・謀殺のスキルを近代兵器や近代格闘をもって発揮するというフレッシュかつ、荒唐無稽さが感じられない描き方。
一言で言うと、「クソ容赦ねえ」。



前作「ヨルムンガンド」や、本作の前日譚「Ordinary+-」が大好きで読んで感じていたのだが、作者の高橋慶太郎さんは人の傷つけ方がとっても上手い。ナイフ戦闘やスナイピング、タイマーでセットされた拳銃から一定時間ごとに太ももに向けて発射されるという拷問に至るまで、やられるほうはとっても痛そう。「あべし!」さながらの頭蓋吹っ飛び描写など、惜しげもない。


さらなる特徴として、わりと重要なキャラがあっさり死ぬ、という描写が多い。敵も味方もそうだが、戦場では人は簡単に死ぬし、いちいち情感を描いていては持たない、というドライな観念が作品世界に通底して流れている。主人公たちの行くところ、どこもかしこも戦場になってしまうが故、誰しもが死に至る、という緊張感を保ち続けている。


今作はおそらく「群像劇」になっていくのだろう。だからこそ、主要キャラの中でも、非業の最期を遂げるものがいるかもしれない。
それを受けて、目が光って狂気を放ち、異能の力とも言える「リアルな戦闘スキル」を発揮して、他の主要キャラをアサルトしようとする女子が描かれるに違いない。
深町秋生氏のバイオレンス小説や、打海文三の「裸者と裸者」シリーズに近い世界観とも言えるなあ。
露悪的とも言える、このぶっ飛んだ世界観を隠さないで、このテンションを保っていってほしい。


汚い世界で美しいものを。
凶悪で、えげつないほど強い女性は美しい。


今後の展開が楽しみだ。
ちなみに僕の応援するキャラは、やっぱり伊万里ちゃん!(※異常なまでの戦闘技術を身につけた女子高生)。
彼女の活躍がまた見られるとは思ってなかったので、登場したときはリアルに「おお〜!」と声が出た。