女をめぐる冒険−『チェイサー』
あけましておめでとうございますin2012
「兄兄兄妹」を見た
「兄兄兄妹」/監督:村松正浩 @ドロップシネマパーティ
かつて、自主映画が小さな変換を遂げた時があった。
自主映画の黄金時代を築いた8ミリフィルムがDVへ変わろうとする過渡期。
『ぴあフィルムフェスティバルはフィルムしか評価されない。だって「フィルム」フェスティバルだから』
そんな都市伝説っぽい決まり事が囁かれていた最後の時代。
手元に資料がないからアレだが、僕の記憶が正しければ、
97年にグランプリをとった「シンク」という作品は、エポックメイキングな作品であった。
それはDVによって作成された作品であったから。
そしてDVフォーマットの作品が、はじめてグランプリをとったから、である。
「中央線ドロップス」元町夏央
午後、夢、悪しからず
もし宝くじが当たったら。
そんな妄想をしながら日中の街を弁当を求めて歩く。
親をモンゴル旅行に連れて行こう。
財布の中には金がない。弁当の出費にも気を使う。
困りものを片付けて、あの人を食事に誘おう。
昼過ぎ風強く。胸元に春風強風が滑り込む。
オーディオを買って好きなだけCDを買ってみよう。
昨日買ったダイヤモンドメモを懐のポケットに忍ばせて歩く。
兄夫婦に立派なベビーカーをプレゼントしよう。
ビルの側でがん検診。大きなビルが正午の趣。
あの人とゆっくりハワイに行こう。
僕の病気はいつか来るのかと怯えてみる。
仕事は辞めずに、しっかりと自信を持って生きよう。
弁当屋はほとんど売り切れいて、仕方なく見た目の悪いスパゲティを買う。
家を買うか引っ越すかして、二人で暮らせるようにしよう。
飲み物はがまん。
自転車を買ってもいいし、免許をとってもいい。
昼間の一瞬の夢。ビルから春風。春の霞がうすら浮かんで宙に浮く。
ちゃんと気持ちを伝えよう。
宙に浮いてる歩みの身。笑えるほどに笑えない。
心に浮かんだ誠実を大事にしよう。
もし宝くじがあたったら。
午睡のごとくに歩む身の上。
いやいや決して、あしからず。